果てなき辰砂の美の世界「四郎窯(副島信幸)」
数ある伝統的な有田焼の中でも異彩を放つ四郎窯。その四郎窯の特徴である「辰砂」とは、釉薬が窯中で化学反応を起こし、天然自然の模様を生み出す技法です。明朝の時代、辰砂は歴代皇帝が愛した格式ある技法として知られ、まるで宝石のような美しさと評されました。
中国の元の時代に釉裏紅(ゆうりこう)として出発した辰砂は、清の時代に今日見られるような赤い釉薬になりました。焼き物の中で出しにくい色のひとつと知られ、釉薬の調合、厚さ、素地土、焼き方の四つの条件がうまく揃ってはじめて良い色が出ます。
四郎窯では窯変技法を巧みに操り、ルビー色の辰砂だけでなく碧緑色や紫色の辰砂天目などさまざまな窯変物を生み出しています。四郎窯ならではの辰砂天目の作品は、伝統的な有田焼に新風を吹き込む芸術品です。
窯主の副島信幸は「国際陶磁展」で連続入選を果たし、果てなき辰砂の美の世界に挑み続ける新進気鋭の陶芸家です。
ご挨拶 - 肥前有田焼 四郎窯
肥前古窯の一つ、内野皿山のふところに生まれ育ち、幼い頃から炎の美に取り憑かれ、作陶の道を己が生きる業と定めました。
轆轤を回し、白磁 青磁 辰砂の世界を探し求め、曜変天目の妖しさに魅了され、研鑽の日々がつづきます。
計算し尽してもまだ変る曜変の妙に挑んでおります。
これからも、土を捏ね、炎を燃やし続け、自分で納得のいく作品を創りたいと念願いたしております。
何卒、ご諸賢のご𠮟咤ご鞭撻お引立の程を心からお願い申し上げます。
敬白
副島信幸 陶歴
1961年 | 内野皿山に生まれる |
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1985年 | 長崎陶磁展 日刊工業新聞社賞(辰砂彫流紋壺) |
1988年 | 九州山口陶磁展 朝日新聞社賞(波濤) |
1994年 | 佐賀美協展 奨励賞(街) |
1995年 | 九州山口陶磁展 サガテレビ賞(残雪) |
1984年〜2003年 | 佐賀県展 連続入選 / 九州山口陶磁展 連続入選 |
2009年 | 九州山口陶磁展 入選 |
2015年 | 九州山口陶磁展 サガテレビ賞(裳) / 佐賀県展 入賞 / 佐賀銀行文化財団賞(宙) |
2016年 | 国際陶磁展 入選 / 佐賀県展 入選 |
2017年 | 佐賀県展 二席 佐賀県議会議長賞(新月の風) / 入選(綻びる) |
2018年 | 国際陶磁展 西日本新聞社賞(玄) 入選(シルクロード) / 佐賀県展 佐賀銀行文化財団賞(波濤) 入選(紅霞) |
2019年 | 国際陶磁展 入選(汐) |
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