- 琥山窯独自の金襴手技法
金襴手の歴史は古く中国の明、嘉靖時代(1522~1566)に景徳鎮より始まり、日本の有田焼にも受け継がれました。
琥山窯の金襴手とは陶磁器に漆を塗り、様々な箔を押しつけて模様を描く最高に贅沢かつ高度な作風であり、これは琥山窯だけが今に伝える類稀れな金襴手技法です。
絢爛豪華な美しさと歴史的な伝統技法に裏打ちされた金襴手作品は、有田焼の中でも圧倒的な存在感を放っています。
匠によって作り出される金襴手は金箔のみならず、プラチナ箔、青貝箔、赤貝箔など多彩な色箔を使い箔で絵を描く「箔結い」ともいうべき作品です。
大和絵のような雅やかさ(上品で優美なさま)、またその重厚さや、煌びやかさをご堪能ください。 - 歳月が味わいを育てる
金襴手は使用の度合いや歳月により箔が剝がれていきます。歳月とともに色が変化し、味わいが増すところに金襴手ならではの楽しみがあります。
完成したときが美しさの頂点ではなく、使う人と共に成長してゆく器です。まさに人生に寄り添う逸品、人生を共にしたい宝物です。
琥山窯は磁器製造として1925年に小野琥山氏が創立。その後、創意工夫によって近代的な新手法を次々に広く社会に発表している伝統ある有田焼窯元です。
技法は高火度釉彩による華麗な装飾と、天目銀彩、色絵、金銀箔の上絵など、一段と高度な技術に加え、豊かな独自の境地を開拓し続けています。
天目銀彩は、素焼きした器に天目釉を施釉して絵柄を水蝋で描き、さらに銀彩釉をかけて本焼きします。駱駝、鷺、唐草兎の模様のひとつひとつを職人が手描きしております。天目銀彩の作品群が放つ深遠な銀色の光沢美や、閑寂さと異国風な幽玄の世界は見る人を魅了させることでしょう。
私は琥山窯で焼き物作りを続ける中で特に「金襴手」の魅力に惹かれ仕事をしてきました。
金襴手とは陶磁器に漆を塗り、それを接着剤として箔を押し模様を描く最高に贅沢な手法です。金襴手の歴史は古く中国の明、嘉靖時代(1522~1566)に景徳鎮より始まりました。
文字どおり金襴手は主に金箔を使用することが多いのですが、私の作品は金箔のほかに、プラチナ箔、青貝箔、赤貝箔など多彩な色箔を使い箔で模様を描くような作品を制作しています。重厚さや、煌びやかさを感じて頂ければと思います。
尚、使用の度合いや歳月により箔は剝がれていきます。
敬白
お手入れは手洗いで、つけ置き洗いや熱湯の使用は避けてください。電化製品(電子レンジ、トースター、オーブン、食器洗浄機等)、スポンジ、テープ類の使用、直射日光は避けて保管してください。
使用しているうちに、箔は少しずつ剥がれます。これは経年変化というもので、金襴手の宿命のようなものです。その変化を味わいとして、愛用して頂ければと思います。
1949年 | 嬉野市に生まれる |
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1973年 | 琥山窯に入社 |
2003年 | 公募展出品をはじめる 以降、九州山口陶磁展、西部工芸展、佐賀県美術展覧会、佐賀県美術協会展で入賞、入選を重ねる。 |
2012年より小野達郎(父)の下で、金襴手手法を学び始める。そのほか染付、赤絵等を次期琥山窯当主として薫陶を受ける。
また、2015年より小野隆治(叔父)の下で天目銀彩を学び今日に至る。
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